折り込み・2

広報佐藤です。YJさんの頑張りに触発されます。面白いことは書けませんが。



先日、このブログでも以前取り上げました「小金井アートフル・アクション!」の講座に行ってきました。『ホシヤミ』広報として。
講座の題目は「日常とアートをつなぐにはどうすればいいですか」ということで、大阪で「築港ARC」というアートプロジェクトを運営しているアサダワタルさんのお話を伺いました。築港ARC(恥ずかしながら私はこれを、というかそもそも「築港」という地名を知らなかったのですが)以外にも様々な事例紹介と、質疑応答の時間を持ってもらいました。


一言でいえば、面白かったですね。事例自体も面白いのですが、小規模な人数での講座なので質問が出やすい雰囲気です。
講座の話になると長くなるのでこのへんで止めておきますが、ここで『ホシヤミ』の宣伝をさせてもらえたんですね。いや実際のところは置きチラシの感覚でチラシを持って行ったのですが、どうも講座の勝手がわからず、どこに置けば良いか・誰に聞けば良いかがわからなかったのです。チラシを紙袋から出せないまま、講座が始まってしまいました。
このままではチラシを置けずに講座が終わってしまう! 佐藤は焦りました。


で、件の質疑応答です。半ば無理やりですが「小金井市東京学芸大学で演劇をやっていまして……」という切り口から質問をし、宣伝をさせて頂きました。(営利目的ではなく、質問が第一目的です。念のため)


結果として、置きチラシ方式より良かったと思います。講座に来ていた人に色々と説明しながら一枚一枚渡せましたし、講座の趣旨「むすびつける」に近いことができたのではと思っています。


実際に参加者の方々と話していて思ったのは、「東京学芸大学に演劇団体がある」ということがそもそも知られていないのだなー、ということです。別に、全国規模で全人的に演鑑演劇部が知られているわけではもちろんない。それは納得がいきます。でも、小金井市に住んでいて「アート」なるものに関心がある人でも知らないんです。



アサダさんの関わったプロジェクトに、銭湯の脱衣所のテレビで映像作品を上映する、というものがあります。「映像温泉in築港」というそうです。
それを事例紹介で聞いて、面白いと思ったのは「自分の拠点に人を呼び寄せる」ではなく「人がいるところに出向き、拠点をつくる」というやりかたです。知らないなら、来ないなら、こちらから行ってみる。そんなやり方があるのだという驚きと、そういうことが基本なんだという確認意識を同時に感じました。実際、今回の講座に折り込み(?)に行ったのは、こちらから直接出向いて宣伝をしようという目的からです。


でもこの話には続きがあります。
質疑応答でわかったことなのですが、銭湯の脱衣所って、そんなに人が入るわけではありません。詰めればそれなりに入るとは言っても、100、200、という数字は入りません。「最適人数」という話も伺いました。
映像作品でなく普通のテレビ番組を見たいというふうに、苦情を受けることもあるそうです。そういう場合、映像作品を流している理由を説明したりします。極端な話、テレビ番組よりもこっちの方が面白い、と思ってもらえれば双方問題ないわけです(納得してもらえない時もあるそうです)。そういうふうに人と話す、ということを組み入れるための、最適な人数があるのです。


『ホシヤミ』は、というよりここ一年間の演鑑演劇部の公演は、「目標観客動員数」を設定してきました。「多くの人に公演を観てもらいたい」、その意思からです。『ホシヤミ』も同様です。何人と言わず、万人に観てほしい。そんな思いで演出が、役者が、スタッフが、日々頑張っています。


ただたくさん来てもらうだけでなく、来てくださったその人たちに私たちは何を届けられるだろう。どういう関係(来場中の一時的なものだとしても)を築けるだろう。


最近、広報と名乗る度に、広報の仕事をする度に、そんなことをよく考えています。上の疑問に今はまだ答えを出せませんが、最高の舞台(とは何かは一旦置いておいて)をお届けしたい。ただそう思います。



長くなりました。もし最後まで読んだくださった方がいましたら、『ホシヤミノ鬼、或ハ舞ヲトレ』の方、是非観に来てください。そして、終演後にお話ししましょう。